イトウ家の食卓 6.3

道北へ行く事になりました。かなり遠くです。
仕事の準備と釣りの準備をして夜中に出発です。
やっと海岸線に出る頃にはもう太陽が昇ってきます。
「3時45分か・・・あと1時間早く家を出れば良かった・・」
頭の中はあの魚の事で一杯です。今頃はもうあちこちで
派手な音を立てながら食事タイムが始まっているでしょう。
「う〜ん、早く着かないかな。あと少しの辛抱だ。」
ついついスピードを出したくなる気持ちを抑えながら
やっと釣り場に到着しました。

もう、すっかり明るくなってしまいました。
辺りを見回すと、平日にもかかわらず、すでに車が数台
停まっています。
対岸にルアーマンが一人、黙々とキャストを続けています。
手前にも一人「完全に出遅れたな・・・」そう思って準備を
していると手前のブッシュから、熟年のルアーマンが戻って
きました。
「2日間やってるけど全然ダメだよ!ライズも無いし」
「魚いなくなったな〜」「昨日、魚もって帰る奴見たし・・・」
「ええっ!本当ですか?・・・・」絶句です。
なんか、猫パンチの後に強烈な一発をもらった感じ。
さて、気をとりなおしてフライをキャストします。
いつもなら、あっちこっちで
「ガバ!ガバ!」って感じで小魚を捕食する食事風景が
見られるんですが、今日は 天気が良いせいか
すれているのか、魚がいないのか、やはりライズはありません。
静かなもんです。
すると、少し先で「ポコ」っと水面が盛り上がります。
小魚が数匹パラパラと水面に飛び出します。
かなり控えめだけどイトウに違いありません。
すかさずそこへキャストします。
フライの動きは小魚が追われて逃げるイメージです。
「逃げろ!逃げろ!シュ!シュ!」こんな感じ?


急にずしっとした重たい手ごたえ
「おおっ!来た!来た!」大きくあわせると、ワンテンポ遅れて
ゴンゴンと首を振るような独特の引きで
8番のロッドが大きく曲がります。
「よっしゃ!〜こうでなくちゃ!」「お〜っと!けっこう引くじゃん!」
イトウ独特のトルクのある引きを楽しんだあと
サケ用の特大ネットでサッとすくいます。
釣れたのは72cmのイトウでした。
ネットがでかいのでこのサイズでもかなり小さく見えます。(笑)
まだまだ青年って感じでしょうか。

イトウは他のサケ族と違って長寿です。
15〜20年生きるモノもいるいわれていますが、産卵に
参加できるようになるにはメスで6〜7年、オスで4〜6年
だそうです。
そうするとこのイトウは何年生きているんでしょうね。
たぶん、6〜7年目でしょうか?
優しい顔をしているのでメスでしょうか?
詳しい事は本人?に聞いてみないと分かりませんが・・・。

なるべくイトウに触れないように写真を撮ったら
即リリースです。
「もっともっと大きくなって、また俺の竿に掛かれよ!」
ずいぶん勝手なことを聞かされたイトウは首を横に振りながら
川底に帰っていくのでした(笑)。
今の気分は?と聞かれたら・・・・・・

うっしっし!、うっしっし、牛、牛〜!
すいません、最後はこんなオチでした。(笑)